ご相談例

ご相談例

01.労務、パワハラなど従業員とのトラブル

弁護士法人ニューステージでは、歯科クリニックのご依頼により、従業員とのトラブル(特にパワハラ、解雇、未払賃金についての紛争)を取り扱い、サポートさせていただいております。
 
歯科クリニックは、労務管理も院長先生自身が行っているところが多く、院長とスタッフとのミスマッチによる労務問題が起こるケースも多いと言えます。
 
また、スタッフが少数で入れ替わりが少ないクリニックでは、雇用制度が問題になる機会が少ないため、就業規則や雇用契約書などに不備があることも多いと思います。
何も問題が起こらなければそれでも良いのですが、いざトラブルが起こったときに、準備不足が大きな影響を及ぼすこともあります。
 
近年、労働環境を巡る変化は著しく、一昔であれば考えられなかったようなトラブルが、雇用主にとって大きな負担となっています。
 
当事務所では、ご相談をいただいた歯科クリニックからの相談により、労務問題に適切に対応するだけではなく、雇用制度を整え、未然にトラブルを防ぐ体制づくりを行っています。

1.パワー
ハラスメント、
セクシャル
ハラスメント等

近年、パワハラ、セクハラは、大きな社会問題となっています。
特に、パワハラについては、労働施策総合推進法が施行され、令和4年4月から、中小事業主にもパワーハラスメント防止対策義務が課されることとなりました。
医療法人は、中小企業基本法に定める中小企業には該当しませんが、クリニックにおいても、パワハラ・セクハラの問題は、大きな影響を及ぼしています。
 
厚生労働省のデータでも、個別労働紛争の相談件数は、職場の「いじめ・嫌がらせ」の問題がトップであり、パワハラで問題になることが多い「精神疾患による労災申請」のケースも増加の一途をたどっています。
 
しかも、この「精神疾患による労災申請」の請求件数は、「医療、福祉関係」がダントツで多いと言えます。
人の生命、身体に関わる医療を扱う以上、スタッフには高度の注意義務が課せられており、一つのミスが大きな影響を及ぼしますので、職場における注意や叱責も強いものとなることは想像できます。
しかしながら、このような注意や叱責が、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」ということになると、たちまちパワーハラスメントになってしまうのです。
 
また、多くのクリニックにおいては、雇用主の代表である院長が、直接スタッフと共に仕事し、業務上のやり取りをすることも多いため、「優越的な地位」にある院長の言動の一つ一つが、パワハラになりうる可能性が高いと言えます。
 
多くの方は、
「自分が若いときは、もっとキツいことを言われたし、それによって成長できた。」
とおっしゃりますが、パワハラを巡る従業員の意識は大きく変わり、「自分の若いとき」基準は通用しない時代になってしまいました。
 
労働者の意識が変化したことに加え、近年では、インターネットによる情報収集や、法律事務所へのアクセスのしやすさもあり、ハラスメントの問題がすぐに労働審判などの法的紛争になるという傾向もあります。

2.解雇、
雇い止め

解雇や雇い止めの問題も、クリニックでは多く生じる労務問題であると言えます。
クリニックにおいては一人一人のスタッフの影響が大きく、能力面が劣っていたり、院内の雰囲気を悪くするようなスタッフが一人でもいれば、様々な悪影響が出てきます。
そのようなミスマッチ社員について、「辞めてほしい。」「辞めさせたい。」といったことで悩まれる方も多いと思います。
 
「うちは有期雇用契約だから大丈夫。」と考えている方もいらっしゃいますが、有期雇用契約でも雇い止めにおけるトラブルは多く生じています。
有期雇用契約においても、正社員の解雇の場合と同様、有期雇用契約を終了させるために、客観的かつ合理的な理由、社会通念上の相当性が要求されています。
 
また、正社員を「辞めさせる」場合もかなり注意が必要です。
解雇の理由に正当性がなければならないことはもちろん、解雇の手続きも厳格に要求されています。
 
あるクリニックからの相談で、あまりにもひどいスタッフについて解雇を検討されているとお聞きしましたが、就業規則すら定めていないというケースもありました。
就業規則がなければ、懲戒処分としての解雇手続は難しい、というアドバイスをさせて頂いたこともありました。
 
雇用問題全般に言えることですが、就業規則や雇用契約を完備し、将来のトラブルに備えておくことが何よりも重要になってきます。

3.残業代請求

クリニックにおいても、スタッフ(退職後のスタッフであることも多いです。)からの残業代請求が問題となるケースも増えてきました。
 
研修や勉強会が労働時間と認定されるケースも増えていますし、労働時間を見直す必要があります。
 
多くのクリニックは、時間管理や給与制度における対策が不十分で、弁護士から見て、残業代請求に対して無防備だなあと感じることも多いです。そもそも「時間外労働・休日労働に関する協定書」(労働基準法36条、「三六協定」と言われます。)の届出をしていないクリニックも散見されます。
 
労働基準法等の労働法制では、時間外労働・休日労働等の手当について、厳格に定めていますので、「労働時間(残業時間)」と「労働単価」が分かれば、直ちに残業代請求が可能となり、請求された側はこれに応じるしかない状況となります。
 
当事務所では、クリニックのスタッフとの雇用契約、給与制度、時間管理制度もチェックし、残業代の問題に対応しています。

4.強い
クリニックを
作る

当事務所が心掛けていることは、トラブルや紛争に対して、「強い」クリニックを作っていくということです。
 
スタッフの雇用の問題においても、その強みは大きく発揮されると思います。
 
実際にトラブルが発生すれば、その対応を適切に行っていくことが何より重要です。
当事務所では様々なご相談を受けておりますが、スタッフとのトラブルを抱えている院長の心労は大変なものがあります。
クリニックでは言えない院長の悩みを共有し、ともに解決していくことが当事務所の使命であると考えています。
 
また、幸いにも現時点でトラブルが発生していないクリニックにおいても、労働問題への対応は極めて重要です。
 
歯科の先生方とお話ししていて、スタッフの雇用の問題になることも多いのですが、どちらかというと、「スタッフのモチベーションの向上」や「パフォーマンスを高める」ことに意識が向いている傾向にあると言えます。
 
もちろん、その姿勢は全く問題ありません。前向きに、パフォーマンスを大きく向上させていくスタッフ管理は、まさに「攻め」の姿勢であり重要な要素です。
 
その一方で、強いクリニックを作っていくためには、「守り」を固めることも重要になります。
労務問題で言えば、就業規則や賃金規程、雇用契約などの整備や、時間管理など、労働法制や最新の裁判例に沿った環境作りも重要な要素となります。
 
当事務所では、「強いクリニック」を作るため、クリニックの労働環境の整備に取り組んでいます。
 
是非一度、当事務所にご相談ください。